日が傾くのはすっかり早くなったけど、
そよぐ風は、まだちっとも涼しくない。 けれど、
街中の装いは、そんな気温を置いてけぼりにして、
どんどん秋色に染まっている。
タイフーンの吹いている朝
近所の店へ行つて
あの黄色い外国製の鉛筆を買つた
扇のように軽い鉛筆だ
あのやわらかい木
けずつた木屑を燃やすと
バラモンのにおいがする
門を閉じて思うのだ
明朝はもう秋だ
<西脇順三郎「秋」より抜粋>
秋になれば思い出す詩。
早く空気の違いを感じる事ができるように…、
アタシは今日も秋を待っている。